あなたは、イギリス軍がイラクへ侵攻したニュースを覚えていますか?
確か、、2003年頃のことだったと思います。この作品は、、、
イギリスがイラクへ突入して2年後、
バンクシーによって制作された作品です。
バンクシーはなぜ、
この作品を描こうと思ったか?
まず、タイトルにある ‘CND’ とは、Campaign for Nuclear Disarmamentの略で「核軍縮運動」という組織のことです。
この作品に描かれているマークは、CNDのシンボルマークで一般にはピースマークと呼ばれています。
1957年にイギリスで設立されたCND 「核軍縮運動」はイギリスの平和運動の最前線に存在し、その後、ピースマーク(CNDマーク)はアメリカのヒッピー運動やベトナム反戦運動でも平和の シンボルとして使われ、世界的にも平和・反戦の象徴となりました。
この作品は、イギリス・ロンドンの国会議事堂、その向かい側にある「Parliament Square」という広場で、2001年から2011年までの肺がんで亡くなるまで実に10年間、イギリス軍のイラク侵攻に対する座り込みの反戦運動をしていた「Brian Haw」(ブライアン・ホウ)へバンクシーが送ったキャンバスを元に制作された作品です。
ソルジャーがペイント中の
ピースマークが完成されていないところに
バンクシーが本当に伝えたい
メッセージがあるのかもしれません。
この作品が制作されたのは、バンクシーがイスラエル西岸地区、カルキリヤのイスラエル人とパレスチニア人を分ける分離壁に9作品を残した2005年と同じ年でした。
バンクシーは何度か、イスラエル兵に銃を向けらながらも、ミューラル(壁画)の制作をやめませんでした。
命を危険にさらしてでも、反戦のメッセージを世界に広く伝えたい。
その手法として、自分が今まで描いて来たグラフィティアートが人々の目に留まり、その役目を果たすなら・・・
というバンクシーの想いが見え隠れする作品です。
政治的背景のあるバンクシー作品を好むあなたにお勧めしたい作品です。