Dismaland(ディズマランド)関連作品、「Cinderella Carriage Crash」の新作発表に合わせて、ジェフ・ジレット本人に独占インタビューを敢行してきました。
「日本にもディズニーランドがあるし、日本のファンにもっと僕の作品を知ってほしい!」というJeff Gillette(ジェフ・ジレット)。今回のインタビューも心よく引き受けてくれました。
バンクシーが創造した Dismaland(ディズマランド)の元ネタとなった、Dismayland(ディズメーランド)は、どのように生まれたのか?
また、バンクシーについて、どう思っているのか? などなど
どういう経緯でこの作品が生まれたのか?を語ってもらいました。
Qディズニーのキャラクターがスラム街にいる作品を描き始めたいと思ったきっかけは何ですか?
A(ジェフ・ジレット) 1980年代から、ずっと、第3国のスラム街を訪れています。 1994年に、ミッキーマウスやドナルドダックを僕の絵のスラムの中に描き始めました。
ディズニーのキャラクターがスラムの風景にべったりと横たわった、ポップアート的側面が大好きです。
ポップアートを取り入れることによって、鑑賞者はもっと、自然に作品の意味を読みとろうとしてくれますし、様々な解釈がそこに生まれます。
QCNNのインタビューの中で、あなたは「生まれつきの悲観主義者である」と仰っていましたが、ディズニーランド・マジック・キングダムの近くで生まれ育ったことは、何か関係していますか?
※ 注 ジェフは、ディズニーランド・マジック・キングダムの近くで生まれ育った、と、Dismalandのプログラムでは紹介されていました。
A(ジェフ・ジレット) 僕は今、カリフォルニアにある、ディズニーランドから24キロ以内のところに住んでいます。
毎晩ディズニーランドから、花火が上がる音が聞こえてきます。
僕が育ったのは、マギックキングダムの近くではなくて、ミシガン州のデトロイト郊外で育ちました。
そして、子供の頃に、ディズニーランドへ行ったことはありません、たった一度もです。大人になってからも一度しか行ったことがありません。
Dismaland内のスーベニアショップで販売されていたポスター
Q2010年頃、バンクシーは頻繁に、ロサンゼルスへ訪れるようになっています。
一方、ジェフ、あなたは、2010年にロサンゼルスのギャラリーで「Dismayland(狼狽するランド)」をテーマにソロエキシビションを開いています。
僕は、バンクシーが今回の Dismaland(ディズマランド)を具現化させるためのアイディアをここで『得た』と確信しています。
そこでお聞きしたいのですが、あなたのソロエキシビション「Dismayland」のアイディアはどうやって思いついたのでしょうか?
その、エキシビションの本当のコンセプトは何だったのでしょうか?
A(ジェフ・ジレット) Dismay(うろたえる)landは、僕の作品に、ビジュアル、ディズニーキャラクターの使用、有名な標識やロゴを組み込むために必要な名前だったのです・・(そうすることで、すべての作品に意味が生まれるのです。)
Q第3国のスラムと、世界で最もハッピーになれる場所・ディズニーランドの間に矛盾を感じますか?
A(ジェフ・ジレット) はい、大きな矛盾を感じます! でも、インドのスラム街の方が、ロサンゼルスやオレンジ・カウンティーの富裕層のエリアをドライブしている時よりももっとフレンドリーで、もっと幸せな人たちを見ることできます。 これは一体、どういうこと??
Qバンクシー本人から直に連絡が来て、Dismalandへメイン・アーティストとして招待され、コミッションワーク制作を依頼されましたね。
それまで、バンクシーはあなたにとって、どんな存在でしたか?
ただの有名なグラフィティ・アーティストでしたか?
それとも、尊敬するアーティストの一人でしたか?
A(ジェフ・ジレット) バンクシーの作品を見るのはとても好きでした。そして、彼の作品は飛び抜けて面白く、ユーモアとウィットに富んでいて、少しジェラシーを感じたこともありました。
Dismalandの前は、確かにそんな彼のアーティストとしての特徴が好きでしたが、今よりは、彼のことは好きではありませんでした。 でも、彼の作品がただの落書きだと、思ったことは一度もありません。
Qなぜ、今回、Dismalandのシンデレラ城の中に展示されていた、バンクシーのスカルプチャー「Cinderella Carriage Crash(シンデレラが乗った馬車が壊れた!)」を作品にしようと決めたのですか?
A(ジェフ・ジレット) 初めは、僕の、ゴミの埋め立て地の作品に鳥をコラージュしようと、ディズニーのキッズブックをめくっていた時、プリンセス・ストーリーに関するディズニーの本に偶然、出会いました。 シンデレラの話がその中にあり、そこには、倒れて苦悶する馬と馬車があったんだけど、そこには、今回の作品を作るためのパーツが全て揃っていたんだ。
パパラッチだけは見つからなかったけどね。
以上、自分の思ったことを素直に答えていて、答えにちょっとちぐはぐ感はありますが、世界中のファンを魅了するアーティストはこれくらいの『押しの強さ』がないといけないんだ、と思うと頷けます。
今回ジェフ・ジレットが発売した「Cinderella Carriage Crash」。
バンクシーがジェフ・ジレットのDismaylandからインスピレーションを受け、今度は、ジェフがバンクシーのアイディアから形になったシンデレラのスカルプチャーを作品にしています。